World
Festivals 世界の祭り・郷土芸能
鹿踊り
山の獣を体に宿し、生きとし生けるものを供養する鹿の踊り
日本/ 岩手県奥州市江刺
宮城県北・岩手県南の鹿踊りは、鹿頭をかぶり背中に背負った「ササラ」を地面に打ち付け、太鼓を打ち歌って踊る
"東北地方を中心に伝わる「シシ踊り」は鹿や猪、熊などシシ(山の獣)に扮して踊られる芸能である。主にお盆の際の物故者供養や神社例祭での豊作祈願として踊られる。宮城県北から岩手県南に伝わる「シシ踊り」は鹿の「鹿踊り」で、鹿の角をつけた頭をかぶり、背中に「ササラ」を背負い、自ら太鼓を叩き歌い踊る「太鼓踊り系鹿踊り」である。岩手県奥州市江刺地方が最も盛んで、鹿踊りの群舞「百鹿大群舞」が有名。 起源は、狩られた鹿の供養説、山中で遊ぶ鹿の姿を真似た遊戯模倣説、春日大社と結びつけた奉納起源説など諸説ある。今回の撮影は、江刺地方の鹿踊りに協力いただき、山中で遊ぶ鹿を彷彿とさせるような江刺地方の阿原山高原で行われた。 太鼓踊り系の発祥の地とされる宮城県南三陸町戸倉には「行山流水戸辺鹿子躍」が伝わり、そこには「生きとし生けるものすべてを踊りで供養する」という供養碑が江戸時代から建立されている。東日本大震災の津波によって装束一式を流出したが、若い踊り手たちによって復活を果たした。"