World
Festivals 世界の祭り・郷土芸能
八戸のえんぶり
雪の中、稲作作業を模した多彩な舞で春の訪れと豊作を願う予祝芸
日本/ 青森県八戸地方
田をならす農具「朳」(えぶり)を持って踊る「えんぶり」。馬の頭をかたどった烏帽子をかぶった太夫が稲作作業を表した勇壮な舞を奉納する。
"冬の間(旧暦の小正月)に稲作の一連の作業を模した踊りを行い、予め豊作を祝う予祝行事「田植踊り」の一種で、青森県八戸市を中心に近隣に広く伝わる。八戸市では、毎年2月17日に30組を超えるえんぶり組が、神社奉納の後、行列を行い、街中はえんぶりの舞手と観覧客で溢れかえる。えんぶり組は4日間にわたるステージイベント出演とともに、個人宅や商店街、事業所などを訪れ門付(かどづけ)を行う。馬の頭をかたどった烏帽子(えぼし)をかぶった太夫(たゆう)たちが、頭を大きく振って朳(えぶり)を模した「ジャンギ」と呼ばれる道具を地面に突き立てたり、摺るようにして激しく優雅に舞う。摺りの合間には「松の舞」「えびす舞」といった祝福芸や、可憐な子ども達の「エンコエンコ」などの余興舞も入る。白い雪の中で見るえんぶりの華やかさは、厳しい冬を乗り越え、待ちわびた春の訪れを告げる祝福芸として親しまれている。 国指定重要無形民俗文化財"