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Festivals 世界の祭り・郷土芸能
花祭
夜をかけて地を踏み鳴らし、冬の大地に新しい活力を吹き込む鬼様
日本/ 愛知県北設楽郡
祭り場に設られた釜に湯を沸かし、その周りで鬼をはじめ様々な舞を夜を徹して行うことで、大地の再生を願う祭り
愛知、長野、静岡が接する奥三河地方一帯で、11月から1月の寒い時期に行われる祭り。舞を行う場の中心には湯を沸かした釜が設られ、絶えず火がくべられる湯釜を囲んで子どもや若者、様々な鬼の面をかぶった舞が徹夜で行われる。いずれの舞も大地を力強く踏みしめ、舞手の周囲では絶えず「テーホヘ、テホヘ」と観客総出の掛け声がかかり、会場全体が熱気を帯びていく。鎌倉時代から室町時代に修験者が伝えたとされ、舞の中にも大地の精霊を呼び覚ます呪術の所作なども見え、真冬に地中に沈み込んだ精霊たちを復活させる「再生」を感じさせる。最後の「湯ばやし」で振りかけられる湯を浴びると、一年間健康に過ごせるとされ、舞手も観客も大いに盛り上がる。「眠い、煙い、寒い」と言われる花祭は、一度は体験したい冬の祭りである。 国指定重要無形民俗文化財